フェアリーの秘密
一章 始まり

妖精に出会う

私は昨晩、「妖精」に出会いました。

西洋の物語や伝説によく出てくる、あの妖精と。
いきなりこのような突拍子もないことを話されても、
驚かれるかもしれません。

ですが、本当のことです。
そして、私自身が一番、驚いています。


時刻は昨晩8時過ぎ、ちょうど私が遅めの夕食を済ませた後の頃へ遡ります。

そろそろ、明日のために休みましょうか。
私は、朝早く旧友と久々に会う予定のために、いつもよりすこし、早くに就寝することにしました。

読みかけの小説に、栞をはさみました。
そして枕元にそれを起き、目覚まし時計を午前6時にセットします。

そこでふと、私は目の前を向きました。
異様な雰囲気を感じ、ハッとします。窓のカーテンの後に、何かが動いているようなのです。

少し気になり、恐る恐る窓の方へ忍びよります。カーテンの向こうをそっと覗きました。
すると、どうしたことでしょう。
そこには得体の知れぬ謎の何かが、飛んでいたのです。

思わず口を覆いました。
まもなくそれは、生物であることに気がつきました。
くりんとしたつぶらな瞳、一見人を縮小した生き物のように思えます。

あまりにも可愛らしくて、うっかり口を開いてしまいます。
「あなたは何者なのでしょうか?」
私としたことが、完全に直球でたずねてしまいました。
そもそも、目の前の生物が人ではないことは明らかです。私の話す人間の言葉など、伝わるはずもありません。

「あたしは妖精だよ!」
どうやら、それは私の早計に過ぎなかったようです。
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