初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
(3)気づく恋情

眞彩side-

「お母様…別に振袖でなくても・・・」

「振袖を着るのも…これが最後かもしれないでしょ?」
邸宅に知り合いの着付け師を呼んで私に振袖を着せる。

今日は見合いの日。
お相手は元伊集院総理のご子息の紡(ツムグ)さん。

「結婚すれば、伊集院家、濱部家とは親戚なるわね」

「そうね・・・」

母親の桐生美也子(キリュウミヤコ)・・・お父様とは中学時代からの同級生で、交際を実らせてゴールインした。

二人の出会い方も結婚までのプロセスも私の理想だった。

私だって二人のように柚希と・・・


「できたわ…眞彩ちゃんきれいよ」

少し低めの声が私を褒める。

「ありがとうございます。哲子さん」

哲子さんはお爺様と同い年のオカマさん。
81歳の高齢なのにきびきびと動き、新宿2丁目でBARのママをしていた。











< 31 / 249 >

この作品をシェア

pagetop