初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
(7)形見のエンゲージリング

眞彩side-

私が『高嶺の花』。

私は初めて社内での自分の立ち位置を知った。

「何だか…眞彩のコト家族全員が気に入ってるようだな」

「嫌われていたら、どうしようかと思いました」

「ふっ。お前は人を不快にしたりしない。人当たりはいいからな」

「柚希・・・」

私は柚希の部屋に通された。

「ここが俺の部屋」

「広い・・・」

「息子は俺一人だから…」

セフレのままだったら、永遠に入るコトのなかった柚希のプライベートルーム。

ダークブラウンのデスクに天井まで続く本棚。
本棚にはびっしりと医学書などの本が詰まっていた。

「座れよ」

柚希は、デスクの前にあるブラウン系のレザーソファを指差した。

「遠慮なく座ります」

私がソファに腰を下ろすと柚希は、デスクに無造作に積み上がった本達を本棚に戻し始めた。

「片づけているんですか?私も手伝いましょうか?」

「いいよ。お前はそこでジッとしていろ」

「ジッとしていろと言われても…」

「じゃ先に奥のバスルームでシャワーを浴びてベットで待機してろ」

「柚希・・・私達はまだ…正式に結婚したワケでは・・・」





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