光の少女Ⅴ【決戦編】
第1部 決戦の刻

第1章 合流

1

「・・・っ」


弓を構えたまま、花音は肩を上下させて息を整える。

もうどれだけの矢を放ったのかわからない。

神麗が改良してくれたことで、属性の力が切れることはなかったが、そろそろ花音の集中力がきれそうだった。

それでも、まだ男にダメージを与えることは出来ていない。

余裕の笑みさえ浮かんでいる男に、だんだん泣きたくなってくる。


「どうする?諦めるか?」


その時掛けられた言葉に、花音はキッと男を睨み付けた。

そして、此処には自分しかいないねだから、一人でどうにかしなくてはと頭を働かせる。

それでもなかなか良い案が浮かばずにいると、男が動いた。

花音の足元を狙って力を放出したかと思うと、地面が急になくなり、花音の身体は投げ出されていた。


「きゃあああ!」


なす術もなく落ちていく花音を楽しげに男が見下ろしているが、どうすることも出来ない。

その時、空気を切るような音がして、落ちていく花音の腕に何かが巻き付いたかと思うと、強い力で引っ張られ引き上げられた。
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