イイコでしょ?
第四章











「ちょっとあなたに協力して欲しい事があって…」






「協力…ですか?」






「そう。私拓人くんと付き合ってるんだけど、拓人くん最近全然私の電話に出てくれなくて…」





熱愛って、本当だったんだ!




と、心の中で一人驚く。




でも電話出てくれないって…






「お仕事が忙しい…とかじゃなくて?」





「電話だけじゃないの!メールも20通送ってやっと1通返ってくる感じだし…それに一緒に居たとしてもなんか…冷たいって言うか。」





肩を落として今にも泣いてしまいそうなカレンさんが、テレビの中での明るい彼女とは違って、すごく女の子で…






その不安な気持ち、分かるよ?





有名人だって普通の女の子だもん。





恋だってする。





この気持ちは女の子なら誰にだって備わってるんだ。





「分かってるの。拓人くん浮気性な人だって。周りの友達もみんな健くんと寝てたし。」






「えぇっ?!そ、そうなんですか…?」





驚きが隠せない…




だってあの佐藤さんが?




あのふわふわっとしてて誰にでも優しそうな…





この間、ラーメンを奢って貰った時の事を思い出す。






そう言えばあの時、腕掴まれて…






「ん、わざとなんだけど。」






そう言われてすごくドキドキした。





あの時以前からきっと二人は付き合ってるだろうし、だったらあの意味深なセリフは…



「拓人くん、あなたの事気に入ってると思う。」






「いや、えぇ?でも…んん。」






困り顔でカレンさんを見るけど、カレンさんはすごく真剣な眼差しで私の手を両手でギュッと握りしめた。






「拓人くん、呼び出してくれないかな?」

















「拓人くんの番号知ってる?」





佐藤さんの今までの酷い浮気性を涙を堪えながら話していたカレンさんがやっと本題に入り、自分で考えた作戦を話し始めた。
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