緑と石の物語
次の日のパーティに備えて、サリー、ヴェール、ジネットはレヴの部屋に集まっていた。

「私…パーティなんて初めてなので、なにもわかりません。
とても心配ですわ。」

「私だってそうですよ!
何をどうすれば良いのか…」

「そんなに深刻に考えることはない。
明日来るのはフレデリックとローラの友人達だ。
それもそんなに大勢ではないらしい。
普通に楽しめば良い。」

「普通って言ったって、あたし達の普通とあんたの普通は違うんだからさ。
もっと詳しく教えておくれよ。」

「詳しくと言われてもな…
ただ、普通にしゃべったり飲んだり踊ったりするだけなのだが…」

「たとえば…どんなお話をすれば良いのでしょう?」

「そんなことに決まり事等ありませんよ。
なんでもジネットさんのお好きなことを話せば良いのです。」

「私はダンスもあまり自信がないのですが…」

「心配することはない。
君達は三人共、初心者とは思えない程うまい。
その点では何の心配もいらないぞ。」

「本当ですか?
他に、なにか注意するようなことは…?」

「パーティなのだ。
ただ、楽しめば良いのだ。
あ…
飲みすぎてのご乱行…というのだけは、勘弁してほしいがな…」

レヴの視線がサリーを捕える。



「なんだよ、それ、あたしに言ってんのかい?
あたしはわけわからなくなるほど飲んだりしたことはないよ!」

「本当にそうか…?」

「…ま…まぁ、ほんの何回かはあるけどさ、最近はないから、安心しな!」

レヴにいろいろと聞いてはみたが、三人の不安は拭えなかった。
結局、そのせいで、三人はろくに眠れない夜を過ごした。

パーティ当日の昼過ぎから、ジネットとサリーはメイドに身のまわりを整えられた。
レヴの屋敷でも髪の手入れをしてもらってはいたが、今日の作業は特別念入りだ。

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