モデル姉さんのファンは弟くん

「待て。」










ぐいぐいとお姉ちゃんの手を引っ張ったけど、あいつがお姉ちゃんの反対の手を掴んだ。











「このあと、バラエティー番組のアンケートきてるから着替え終わったらもう一回ここ戻って。」











「あっそうなんだ！わかった急ぐね！」










「ん。」










……なにその顔。玲蘭が笑って照れてんの？











あーもう！！イライラする〜。お姉ちゃんが着替えて戻ってきたらもう一度しっかりあいつと仲良くしちゃダメだって言わないと…。










ーーーーー…。









「お待たせ…あっ圭！着替えてる時にお母さんから電話かかってきて、圭に変わってほしいみたい！」









着替えに行っていたお姉ちゃんが走りながら戻ってきた。










「お母さんから僕に？……もしもし？なに？」











「なにじゃないわよ！？今日は学校行かなきゃだめだったじゃない！！さっき学校から職場の内線に電話きて今日試験って言われたんだけど！？」










え〜？学校そんなことで電話すんのー？












「あ〜うそ〜今日だったんだ。」










別に受けなくてもどうにかなるでしょ。









「とにかくこれから学校に向かって！！」










「なんで、これから？無理だよ、お姉ちゃんまだ帰れないみたいなのに。」










お姉ちゃんとあいつを見張ってないと。










「玲蘭に聞いたけど、今日は夜までじゃないんでしょ！なら1人でも大丈夫よ。これからでも来てくれれば、試験受けさせてくれるって言ってくれてるからとにかく向かって！」











「いやだってば。お姉ちゃんが一緒じゃなきゃ行かない。」









「あぁそう？じゃあ行かないっていうなら、これからもう一切、玲蘭に付き添わせないからね！」









はぁ？なんでそうなんの！？




　





「ううっ…ねぇおねーちゃん、どうしよ。」











「ど、どうしたの？大丈夫？」










「玲蘭！！なんとかして圭を学校に行かせて！」








…とお母さんが大きい声でお姉ちゃんに向かって叫んでいる。