モデル姉さんのファンは弟くん
もしかして……わたしが小さい頃の記憶がないのと関係があるのかな。
うーん…思い出そうとしても全然分からない。
ただこの場所はいや…。苦しくて、寂しい気持ちになるだけ。
「おねが…や、め……て。」
「…どう…たの?お姉ちゃ……!!」
ふと、暖かいなにかがそっとわたしに触れた。
パチッ。
「…っ!はぁっはぁっ…け、い。」
「お姉ちゃん…どうしたの!?」
目を開けると、すごく心配そうにしている圭がいた。
「っ…圭。」
あぁ…嫌な夢だった。
「怖い夢みてた?すごく苦しそうで、途中から泣いてた。」
「…うん。」
「もう大丈夫だよ。」
そう言ってふふっと笑ってくれる圭。
圭は本当に優しいなぁ…しっかりしたいのに、いつもその優しさに甘えてしまう。
「ずっと、いつでも隣にいて離れないから安心して。」
なでなでと優しく髪を撫でてくれる。
「疲れが溜まっちゃってるのかな、もう少しゆっくり休んでて。」
「ありがと、圭。」
…ふぅ。頭撫でてもらうのが気持ちよくて、また眠くなってきた…圭が近くにいるとやっぱり、一番ホッとする。
ーーーー…。
「…ん。あれ…。」
身体を起こすと、カーテンの隙間から朝日がさしている。
「っふわぁっ〜…よく寝たぁ。」