モデル姉さんのファンは弟くん


お姫様抱っこは諦めておんぶにする。










「こ、こっちも目立つよ。それに重いでしょ。」










いや待って…これ俺の方がヤバい。背中にめちゃくちゃ玲蘭の柔らかいのが当たる。あああ…冷静に考える暇がなかったけど、そりゃそうだよな。意識しないようにしても一度感じてしまったものは難しい。










っヤバいヤバいヤバい。










…落ち着け、落ちつくんだ。









「うぅ…ごめんね帝くん、ありがとう。」









ゾクゾクっっ。










「ッッッ!!」








耳元の近くでそんなこと言うな…!!









多分今までで1番、言葉に出ないほど慌てていた。










そしてなんとか、駅の改札口近くに到着。









「じゃあ、降りるね!」









「は!?急に降りるな!」










「うわっっ!?」









ずてんと尻餅をつく玲蘭。









「いてて…へへ。」









「急に降りんな、バランス崩すに決まってるだろ。」








はぁ〜…もう。









「どんくさいなぁ…ほら行くぞ。」









玲蘭を立ち上がらせ、ホームへ向かう。









「あ〜遊園地楽しかった!次は変装しっかりしないとね。」









「なんとか逃げきれてよかったけど、毎回出かける時にこれは大変だからな。」









ちょうどいいタイミングで電車が到着して座席に着いた。









「ふぅ〜。座れてよかった…あっ!帝くんみて、観覧車から見えた看板だ!」










子どもみたいに指をさしてはしゃいでいる。









「ずっと遊園地とか行きたくてね、学校の友達が誘ってくれても仕事で予定が合わなかったり、圭がダメって言うし。帝くんが連れてきてくれて、本当に嬉しかった!」

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