梅雨少年、晴少年。
梅雨とバレーと私(前)
6月。

こんなにもジメジメしてるのに、私の心はそれとはうらはらにうきうきしていた。



「ちょっと舞、顔がわらってるっ!」


そう言ってよっこらしょ、と私の隣に腰かけたのは友達の夏樹。

体育の授業中にもかかわらず、座って目の前で繰り広げられている男女混合バレーを見ている私たち。


「また奴のこと見てたんでしょ〜?」

「今日も素敵…」

「聞いちゃいないよ…まったく、どこがいいのかねぇ〜『万年梅雨少年』の」



そう、彼は『梅雨少年』なのだ。

< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop