Chat Noir -バイオハザー度Max-



―――


あれから四日後のこと。


週に二回のお勉強の日。またも黒猫のおうちに来てるけど…


「はぁ!?ペルシャ砂糖さんの付き添いだと?」


黒猫はケータイで電話しながら不機嫌そのもの。


相手は言うまでもなくみけネコお父様。


「結婚式のドレス選びぐらい自分で行け。自分の嫁だろ?


―――は?急な打ち合わせで抜け出せない?俺だって今勉強中なの。カテキョとな。


―――時給1,000円アップ??」


黒猫の断片的な会話をすぐ横で聞きながら、


ガシッ


「行きます」


黒猫の両肩を握って、私はそう答えていた。




―――


みけネコお父様とペルシャ砂糖さんは豪華な披露宴を省いて、クリスマスの日に簡単な式だけをチャペルで行うみたい。


随分急な話だとは思ったけれど、ホントはもうずっと前から決めてたみたい。


参列するのもごくわずか。ほとんどが身内だけのちっさい式だけど


やっぱり記念に残しておきたいから、って。


クリスマスに結婚式。ロマンチックだよね。


ちなみに何故か私もそのお式に呼ばれている。黒猫と二人で参加。


どうやらペルシャ砂糖さんの方から「是非、朝都さんも」と言ってくれたみたい。


「めでたいことだけどー。せっかくのクリスマスなのに。


朝都と二人きりが良かったのに」と黒猫はブツブツ言ってたけど


「式はお昼でしょ?夜は空いてるし」


「そうだよなー。さすがにあいつも新婚初夜だし家には帰ってこねーだろうし」


し、新婚初夜…とな…


なんか響きが艶かしい…


ケド、別に初夜じゃないよ、黒猫。


お父様はかなりのフライングだ。



と、まぁお父様の事情はさておき


「結婚式に参加となるとまず服がいるでしょー?それから当日の髪のセット…ご祝儀も出して…」


私は指を折ってお金の計算…


お呼ばれして嬉しいけど、やっぱり出費が↓↓


と私だけが現実的な考え。


「女の人は大変だな」


と黒猫は同情的。


“大人の”を前に付けてくれる?黒猫。


大人の女は色々と大変なのよ。




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