EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【オーレリアン編】
「とにかく、お前は向こう行け。この辺りをうろつかれると邪魔」
「はい…」
義父の書いた本にちょっと興味があったので残念に思いつつ、小鳥はオーレリアンが示してくれた文学作品の棚に移動した。
(あ、この辺りはシェークスピアだ)
半分は闇人が著者のようだが、地上世界で有名な作品もちゃんと置いてある。
小鳥が何と無く『ロミオとジュリエット』に手を伸ばした時だった。
(ん?こっちのは…何?)
その隣に雑誌のような本を見つけた。
明らかに文学作品ではないだろう。
気になって引き抜いてみると。
「え……ええ!?」
表紙には、挑発的な目でこちらを見つめる下着姿の女性のカラー写真。
俗に言うところのエロ本を発見してしまった。
「なっ、なんでこんなのが…ここに!?」
顔を赤くしたり青くしたりしつつ涙目になっていると、オーレリアンがドカドカとやって来た。
「うるっさいよ!静かにしろ!」
「あう……オーレリアンさん…」
「ん?お前、なに泣きそうな顔して…」
言いかけてオーレリアンは小鳥の手におさまっている雑誌に気がついた。