EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】


†††


「ヴォルフが来たの?まさかランベルト付き?」

居間から出て行こうとする静理に白魔がすかさず尋ねる。

彼の問いは「お菓子を買ったの?おまけ付き?」と同じニュアンスだ。

「いや、ヴォルフ一人みたいだよ。連れて来るから、ルカはここにいてくれないかな」

ルカはペギーに巻き付くムチを解きながら、嫌そうに頷いた。


(ヴォルフって名前、どこかで聞いたような……)


小鳥が思い出そうとしていると。

「ヴォルフだけなら大丈夫か……。それじゃあ、ルカ。後は任せたよ」

そう言って白魔が書斎へ続くドアを開ける。

どうやら行ってしまうらしい。

それに便乗するように、オーレリアンも椅子から立ち上がった。

「あいつがここに来るなら僕も逃げる」

「逃げるって……別にオーレリアンは狙われてないじゃん」

ルカが恨めしげに末っ子を見遣る。

オーレリアンはフンとそっぽを向いた。

「あいつ、ウザイしうるさいし会話が面倒。同じ空間にいると疲れる」

廊下へのドアに手を掛けてから、オーレリアンは何を思ったのか、振り返って小鳥に視線を投げた。

「メスブタ。お前、ヴォルフと会うの?ルカの彼女として?」

「え……」


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