EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】

大事なことなので「何もしない」を二度言った。

小鳥が安心して眠れるように、キスもハグも吸血欲求も、それ以上のオトナへの階段だって、のぼりたくても我慢する。

ルカの根性が試される苦難の時間となるだろうが、小鳥がいなくて悶々とするよりは、目の前にいて自戒する方がルカにとってはまだマシだ。

「ダメ……?」

小首を傾げるルカ。

既に一度、一緒の柩で眠った仲だ。

今回はルカから誘ってくれた、ということもあり、小鳥にはこの魅力的なお誘いを断る理由が見つからない。

「……いい、よ」

嬉しさと緊張がないまぜになって、声が掠れる。

小鳥が承諾すると、ルカは不安げだった瞳をキラキラさせて、側に置かれた自分の柩にいそいそと大好きな彼女を押し込んだ。

「ルカくん、そんな押さなくても、きゃっ!」

柩に寝転がったと同時に、背後からギュッと抱き締められる。

驚く小鳥とは反対に、ルカはうっとり夢見心地だ。

「あぁ……小鳥が、俺の柩の中にいる……幸せ……」

ルカはスンスンと小鳥の香りを嗅いでから、そっと耳元で囁く。

「何もしないって言ったけどさ……おやすみのキスは、許して」

甘い声と共に再び重なった唇は先程よりも熱く、小鳥の全身までをも火照らせる。


(もっと、ルカくんのこと……)


感じていたい。

それから、約束通り離れてしまったルカのことを、小鳥はほんの少し憎らしく思いながら瞼を閉じた。







< 151 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop