EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【ルカ編】
11


†††


「ゲッ……あんた、その顔どうした?」

カロンはヴォルフを見るなり、開口一番そう言った。

いつも通り起床して、身支度やその他の面倒事をパパッと済ませたカロン。

そのまま食堂へ向かうと、機嫌の良さそうなヴォルフとムスッとした表情のルカが既にいたのだ。

ヴォルフは顔中に湿布や絆創膏をベタベタと貼りつけていた。

それでもデッカイ青あざを隠しきれていない。

ちなみに手当てはあの後、小鳥がしてくれた。

「これね、ルカくんに殴られちゃった」

「おー、とうとうルカの処女を奪ったか」

「ちっげーよ!!」

すかさずルカが否定する。

変な誤解は勘弁だ。

「てか、今日は男なわけ?」

カロンがチラッとヴォルフの下半身を見遣る。

ルカの前なのに、スカートではなくズボンを身に着けているのは珍しい。

と、そこへ、白魔と静理が食事を運んできた。

テーブルにオーレリアン用のブラッディーボトルを置きながら、白魔が痛々しいヴォルフを見て挑発的に笑む。

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