すでに恋は始まっていた
「なにやってんのー!」


泉の大声が私の頭に響いた。


(いつものことだけどうるさい…)


「いや、しょうがなかったんだよ!女の子が襲われててさ〜」


泉だって理由を話せばわかってくれるはず!


突然泉の顔が険しくなった。


「ああ〜、前のトップはかなり悪かったらしいからね〜」


お父さんが理事長ってこともあって、入学する前から学園の情報は泉にだだ漏れ。


お父さんに会ったことはないけど、泉にかなり溺愛してるらしい。


「バッチは付けてないから大丈夫!」


バッチがあるとタダで学食食べられたりするみたい。


まぁ、1番の権力者ってとこかな。


泉が今年入学した以上、1番の権力者は泉になりそうだけど…。


「…まぁ、いいけど…気をつけなさいよ?」


「もちろん!」


私達は教室に向かった。

< 10 / 363 >

この作品をシェア

pagetop