すでに恋は始まっていた
「何を許さないんだ?」


「な、なんでもないよ!大丈夫、そんなことしないから!」


(疾斗に言ったら怒られそう…)


「…ああ」


少し困っているけれど、納得してくれたみたい。


「よし、詳しいことも決まったし解散だね」


「よっしゃー!帰れる〜」


話し合いに対して興味がなさそうだった光が、生き返ったように飛び跳ねた。


ゴン


飛び上がる光に圭介のげんこつが炸裂した。


(い…痛そう)


「いってー。なんだよ圭介〜」


すごい音がしたはずなのに、意外と平気みたい。


(さすがレトワール…いや、無神経なだけ?)


「女の子がいるんだぞ?送って行くのが普通だろ。1人だけ帰るな」


「ちぇっ、さすがジェントルマンだな」

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