すでに恋は始まっていた

一目惚れ

いきなり周りがざわざわし始めた。


騒ぎの始まりは廊下みたいで、クラスのみんなが廊下に目を向けている。


「なに?」


私達もみんなにつられて視線の先を見ると…朝のやつがいた。


「うわ…」


朝の話で自分の状況がまずいとわかっている私は、思いっきり嫌な顔をして低い声を出してしまった。


(しまった…かなり失礼だったな…)


「日菜!知らないふり!」


頭の回転が速い泉は私のピンチを察知して、私を泉の後ろに隠してくれた。


「このままじっとして」


私は無言で頷き、泉の目を見た。


《噂で全クラスを探してまわるって聞いたけど、まさか本当に来るなんて…》


(なるほどね。ていうか、知ってたなら泉教えてよ!まぁ、バッチ付けてないから大丈夫だと思うけど)


泉は警戒して話し相手にならないし、クラスには他に友達がいないからこの時間はホントにつまらない。


私が窓からの暖かい日差しでうとうとしていた時…。


「日菜。クラス入って来たからトイレ行ってきて」


泉が目線を向こうへ向けたまま私に指示を出した。


「わかった」

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