すでに恋は始まっていた
ピンポンパンポーン


「いよいよ次の種目は『喧嘩』です。全校生徒は応援席へ戻り、準備をしてください。なお、レトワールの皆さんは本部への集合をお願いします」


(ナイスタイミング!)


「みんな行こう!」


本部に着くと、ちょうど反対側から凛愛が歩いてきたところだった。


「あ!り〜あ〜!」


私は凛愛に会えたのが嬉しくて、走って抱きついた。


「もう、別に久しぶりでもなんでもないんだから」


《大袈裟ね》


言葉は少し冷たく聞こえるけれど、心はとっても暖かい。


それがわかっているから私は凛愛が大好き!


「いいの。凛愛に会えるだけで嬉しいの」


私と凛愛は体育祭までの数日で随分仲良くなった。


買い物の趣味が合うからかな。

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