すでに恋は始まっていた
「ちょっと悪い」


その声が聞こえたかと思えば、いきなり顎に手を添えられて…


スッ…


(え⁉︎)


私はわざと下を向いていたのに顔を上げさせられた。


顎クイ…ってところかな…。


そんなことされたことないから私の心臓は爆発寸前。


(む、無意識でやってるの⁉︎)


しかも、よく見るとかなりのイケメン。


(この顔でレトワール1位ならモテて当然だね…)


「やっぱり…」


私にはよくわからないけど相手は何かに納得した様子。


その瞬間、私の目線の先にあるプランターの花が突然咲いたのを私は見逃さなかった。


(なんで⁉︎)


「…あの〜」


(ジロジロ見るとかキモいんだけど…しかも至近距離で…)

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