すでに恋は始まっていた
バン!


私は教室のドアを開け放った。


一斉にクラスの注目を浴びる。


泉は呆れた顔・葉月は嬉しそうな顔をしていた。


(性格現れるな〜)


「先生すみません。遅れました」


多分免除してくれるとは思ったけど、一応謝っておくことにした。


「大丈夫ですよ。席に着いてください」


(何も言われないっていうことは遅刻にはならないのかな?)


席に着く途中、泉と葉月にすれ違った。


《来るの遅すぎ》


《日菜、良かった〜心配したんだから〜》


2人ともわざわざ目を合わせてきたから、心を読ませようとしたんだと思う。


授業が終わって2人にしっかりとお説教された…。


それと、その日から休み時間になると必ず樹君が大勢の人に追いかけられてるのをよく見るようになった。


私との関係について聞かれてるんじゃないかな?


そうなったのは私のせいでもあるから、見かけた時は助けるようにしてるんだけどね。

< 250 / 363 >

この作品をシェア

pagetop