すでに恋は始まっていた
リビングの時計を見ると今は9時35分!


駅までは最低20分はかかるから、あと5分!


私は2階へ駆け上がり、荷物をまとめた。


カバンを持ち、服を整えて全身鏡の前に立つ。


「うん、バッチリ…じゃない!」


私はボサボサの髪の毛にアイロンをかけるため、洗面所へ走った。


今度こそ全身綺麗になって、全身鏡の前へ。


「よし!オッケー!」


こんなにかわいく支度したのは初めてだから、写真を撮った。


(疾斗に送ろっと!)


私は疾斗の連絡先を表示して画像選択の場面を開く。


画像を選択し、送信ボタンを押そうとしたところで私の手は止まった。


(…なんで疾斗なの?樹君が彼氏なんだから樹君に送るべきじゃない!…これから会うけど)


結局私の携帯の中だけでとどめておくことにした。


携帯に表示された時間を見ると、9時45分。


「遅刻じゃん!」


駅に向かって全速力で走った。

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