すでに恋は始まっていた
ピロン


ほとんどの生徒が登校して、誰もいない静かなこの時間。


携帯の着信音がなったのは私の携帯だけじゃなくて、疾斗の携帯も。


中を見てみると樹君からだった。


(どうしたんだろう…)


疾斗も同じメールみたい。


メールを開いて言葉を失った。


そこには…縄で縛られたみんなの写真。


「うそ!」


思わず声をあげる。


絶句したのは疾斗も同じ。


(みんながどうして⁉︎それに…なんで樹君が…)


「疾斗…」


「ああ…この写真の場所…裏庭だな。行くぞ!」


「うん!」


(待っててね、みんな。今行くから!)

< 316 / 363 >

この作品をシェア

pagetop