すでに恋は始まっていた
「俺も…会いたかった」


どれくらい眠っていたかわからないけど、疾斗から伝わってくるぬくもりがとっても久しぶりに感じる。


首筋に水が落ちてきた感覚がした。


(疾斗…泣いてるの…?)


いつもなら冷やかすところだけど、今はそんなことしない。


だって、それだけ私を待ってくれていたってことだもん!


(ありがとう、疾斗。大好きだよ…)


「あ、俺先生呼んでくるな」


急に顔をあげてそう言った。


「うん、お願い」


走って病室を出て行く疾斗。


なんだか名残惜しくも感じる。


(私…疾斗に抱きついちゃった…)


今更だけど恥ずかしい。


好きな人に抱きついちゃったんだよ⁉︎


(あんな状況だったし…ばれてないよね)

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