すでに恋は始まっていた
「夢咲さん、ちょっと来てくれない?」


いつも主犯の子と一緒にいる奴が私を呼びにきた。


呼びに来た人が人だし、絶対に何かある。


まず、雰囲気から怪しいしね。


「なに?用件あるならここで済ませてくれない?」


明らかにおかしいのに、黙ってついていくほど私もバカじゃない。


「ここじゃちょっと…。来てくれないならあなたのお友達、どうなっても知らないよ?」


脅しをかけるように、横目で2人の方を見てきみ悪く笑った。


《一生学校に来れなくしてやる》


(ちっ…)


泉と葉月を人質に取られたんじゃあ仕方ない。


「…わかった」


おとなしくついていくことにした。


誰かが私の後をつけているとも知らずに…。

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