すでに恋は始まっていた
「あ…そーいやそーだった」


《あの人のことまだ追ってたんだ》


やれやれと呆れた素振りを見せる泉。


「え?誰?その人。日菜、好きな人いたの⁉︎」


《初耳だよ!》


(あれ?言ってなかったっけ?)


「そっか、葉月は知らなかったね。聞いてあげてよ。日菜の遠い昔話」


「昔話じゃないよ!たったの7年前じゃん!」


「聞かせて聞かせて!」


恋をしたことがないという葉月は私に押し倒すくらいの勢いで迫る。


「葉月、この人はこの話になると止まらなくなるから覚悟してね」


(う…図星…)


「う…うん?わかった」


体験したことがないからよくわかっていない。


でも覚悟するって言ったんだし、思う存分話しちゃえ!

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