思いは記念日にのせて
13.女は度胸

第四十七話

 
 月日は流れ……

 新入社員が入ってきてわたしは先輩になった。
 と、言ってもうちの課に新人は入ってないんだけど。
 第一課の方に入ったちょっと真面目風なタイプの男性社員で、当社のホームページやTwitterの担当することになった。
 
「出水先輩、そっちの件手伝いますからTwitterで流すおもしろネタ考えてくれません?」
「わたしの仕事なめているようだけど、入ったばかりの新人に手伝ってもらえるほど簡単じゃないから」
「出水さん、かっこいい」

 片山課長がからかうような口調でだけど褒めてくれた。
 新人くんは見た目と中身が違うらしいらしいからもっとびしびし叩かないとだめかもしれない。
 
「そんなことないっすよ! 社内報おもしろいから興味あって……特に『今日は何の日?』のコーナー好きだから」

 あら、意外にいい子?
 しゅんとして肩を落とす新人くん。
 もしかしたら一年前のわたしと同じように思っているのかもしれない。
 こんな仕事をしたくてこの会社に入った訳じゃないって。
 だけど今じゃこのコーナーを任せてもらえていることを誇りに思っているから、彼もそう思えるようになるといいな。
 
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