強引上司の恋の手ほどき
監査を一週間後に控えた今日も、経理課のメンバーは全員で仕事をこなしていた。

まもなく十九時になるかというころ、課長がパソコンの電源を落として帰り支度を始める。

あれ、珍しいなぁ。普段でもこの時間は仕事してるのに……。

「みんな、悪いけど今日は先に帰る。あとはよろしく頼む。なにかあれば携帯に電話してくれ。あと、菅原ちょっといいか?」

「はい……大丈夫ですが」

手招きされて一緒にフロアを出た。

そして歩きながら話をする。

「これで、お遣い行ってこい。なにかみんなが好きそうなもの買ってきてやれ」

課長が財布から一万円を取り出す。

「え、でもこんなにたくさん」

「余ったのは、お前が着服しろ」

「その単語、経理課長が言いますか?」

「あぁ、そうだな。ほら、乗って」

エレベーターに押し込まれた。そしてそのまま一階にむけて動きだす。
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