動き出した、君の夏
「雨が止み次第開始するって」
『そっか…』

裕樹が屋根の下に走って来た

いきなりの雨に濡れるダイヤを見つめた

あーあ。やる気出ねぇな
昨日まで真っ青だった空は灰色に濁ってるし
凄い雨で視界よくねぇし

野球できねぇじゃん…


ブブブブブブ

『!!』

マナーモードにしていたケータイが震えた

「?誰から?」
『…千夏から』

裕樹が、俺のケータイを覗き込んだ

ブブブブブ

「あっ、俺も……瑞希だ」

【From 千夏
 Subject ☆決勝☆

 夕!!!!
 リレー、決勝行けたよっ♪喜(◎>∀<)人(>∀<◎)喜
 雨降ってるけど、30分後に走ります☆☆】

『…裕樹ー。千夏達、決勝だって』
「知ってるー。ん」

裕樹に差し出されたケータイの画面を見た

【From 狩野 瑞希
 題 ざま―みろ☆

 ☆決勝っ☆
 野球部もさっさと決勝行け(´∀`笑))】
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