動き出した、君の夏
ストレートに入った
あたしの目の前には、3人走っていた

絶対、抜かす!!!!
幸い耀ちゃんのスタートがよかったお陰で3走の100で優勝した子はあたしの後ろに居た



絶対……抜かしてやる!!!!
全国100m2位の速さナメんなよ!!!!

バトンが軽く感じられた
多分、今までで1番バトンパスが上手くいった



ぐんぐん加速できて、1人、2人抜かせた
最後の1人は、結構な差があって、差を詰めることしかできなかった




あっという間の100mだった
すぐそこに、少しだけ弱々しい構えの明ちゃんが待っていた


頼むよ明ちゃん!!
そのまま走り続けると、明ちゃんが走り出した

バトンゾーンに入った
すぐに差を詰めて、大声を上げた


『ハイッ!!!!』

右手が真横に上がった
すぐにバトンを、手の平の中心に押し込んだ

『明ちゃんっ、ファイトッ!!』
< 211 / 273 >

この作品をシェア

pagetop