動き出した、君の夏
それだけ言って、芦屋は教室を出て行った

『す…凄いね…』

芦屋の迫力圧倒されていると、隣で裕樹がけらけら笑った

「迫力だけじゃねーよ。9番だけど、アイツすっげぇ打てるし」
「ま、迫力は無かったけどな」

瑞希よ。どこで張り合ってるんだ(笑

「普通の学校行ってたら、確実4番か5番だな。超ガンガン飛ばす。ピッチャーも向いてるけど、あんまコントロールできねぇし」
『へ、へぇ…』
「肩がすっげぇ強ぇ。あー、でもやっぱ9番向きかなぁ。守備は遠くからでもかなりのとこまで投げれる」

『す、凄いんだ…』

ちょっと、自分のことじゃないけど焦った
そんなバリバリの9番向きの人と競うなんて、夕大丈夫なのかな…

「でも、ヒョロく見えたけど」

瑞希はまだまだ芦屋が気に食わないみたいで、机に偉そうに座って足を組みながら鼻を鳴らした

「あー。だってアイツ、1番最初に上がるもん」
『は?』
「先輩と同じとか、そんくらい。居残って練習とか絶対しねぇもん」
「は?じゃあ何でそんな肩強ぇんだよ」




「…ま、才能じゃね」



ヤバいよ夕!!
天才の豪腕元9番がライバルだって
いつもバッティングセンターで練習してる夕が、負けるかも…って…

やだ!!!!

『夕!!頑張って!!』

「ん?ぉお…」

夕は目を見開いて、ビックリしてた
お構い無しで喚き続けた

『天才なんかに負けたら駄目だからね!!レギュラー守りきってね!!!!』




「おう」

自信たっぷりの笑顔で、頷いた
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