動き出した、君の夏

今だけマネージャー

「河村ァ!!前出ろォ!!!!」

カキンッ

「「ぉおお…」」

部活の後、野球部を見に行った
こんなに近くで野球部の部活を見るのは初めてだったから、瑞希と2人でフェンスに手をかけて声を漏らした
すっごい気合…すっごい熱気…

夕は、河村とか言う人(知らない。って言ったら瑞希に溜息つかれた)の後ろに控えていた

やっぱり…

『野球部最高ぉ~~~っ☆』
「千夏が好きなのは、村松だろ」
『失敬な!!野球も好きっすよ!!』

高校野球限定だけどね☆(笑

『ってか…凄いねぇ。ウチの野球部』
「?何が?」
『何か…凄い本格的ってか…プロっぽいってか…』
「ま、全国のエースの集まりみたいなチームだからね」

そのチームの中で試合に出られるのは9人
ベンチに入れるのは15人
その15人に3年かかっても入れない人の方が多いんだ…






「三村ァ!狩野ォ!!」

びくっとしてフェンスを覗いた
怖そうな顔をしたオジサンが、あたし達を呼んだ

この人が、我等が野球の名門校、監督さんです
そして、瑞希の天敵。生徒指導担当の社会科の先生です

『な…何でしょうか…?』
「何すか?」


「お前等、ちょっとマネージャーやってくれねぇか」


「「はぁ?」」
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