動き出した、君の夏
「ちょっ、てめーら…人の話聞いてんのか…」

瑞希の怒鳴り声も、聞こえなくなった
かなり不機嫌な顔をして隣に戻ってきた

「っそー…」
『や、大丈夫だから。ね。瑞希(笑』




「ぁ…三村っ!!!!」

『えっ?』

女子の集団に囲まれた中で、夕があたしに叫んだ
顔を上げると、夕が苦笑いをしながら右手を振った

「悪りぃ!!ちょっと待っててな!!」
『えっ、うんっ!!』

「…特別。ってカンジじゃん」

瑞希が声までにやにやさせながら顔をにやにやさせた

「じゃ、あたしは裕樹のとこ行って来るから。帰りも2人で帰りなよ」
『…有り難う瑞希ーーっ!!』

ホントに有り難く思って瑞希に抱きついた
瑞希はあたしの頭をぽんぽん触りながら笑った

「あたし、空気だけは読めるから(笑)じゃね」

手を振りながら瑞希が裕樹に近づいた
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