おでこにキス。
二階の一番端の教室。

それが、三年一組。


教室の窓側の一番後ろの席が

昴で、その隣が私だった。


明るい昴の側にはいつもたくさんの人がいた。


クラスの人気者で、整った顔立ちで、

学校内でも有名だった昴。


憧れていた。


「なつかしいな。そう言えば、500円返してもらってない。」



『日野さん。財布忘れちゃったんだ。500円貸して。』


今思えば、あんなに友達がいたのになんで私に借りたんだろうか。


そして、なんだかんだと理由をつけてずっと返さないまま。


1学期の終業式の日。


『日野さん。夏祭り。いっしょに行かない?』


昴に誘われた。


昴がいろんな人に誘われてたのは知ってたから、すごくびっくりした。


そして。


8月20日の夏祭り。


昴に告白された。

夢みたいだった。

人気者の昴に告白されるなんて。










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