琥珀色の王太子様に愛されすぎて困ってます!

どうして私なのか、やはり考えてもわかりません。

あの夜会でリューイ様を囲んでいた令嬢は、私よりももっと綺麗で釣り合う方ばかり。
食べる事に執着していただけの女に、何の魅力があるというのでしょう?

「私はフィオナが食べ物を頬張った時の、あの笑顔に惹かれたんだ。あの幸せそうな笑顔。その笑顔はどの令嬢よりも美しかった。私はその笑顔を私にも向けて欲しいと思っているんだ。その為にはフィオナが私を好きになって貰わないと、向けてはくれないだろう?」

ジッと私の顔を見る琥珀色の瞳。
目を逸らしたいのに、その瞳が捕まえて離しません。

「・・・ゆっくりでいい。私の事を好きになって貰えないか?そして、私にあの笑顔を向けて欲しい。私の心をフィオナの笑顔で満たして欲しい」

「・・・もし、どうしても好きになれないとなったら、どうするのです・・・?」

「・・・考えたくない。そうならないように、あらゆる手を使うつもりだ」


そう言うとリューイ様は私の手をとり、愛おしそうに口元に近付けます。


手に軽く触れるキス。
情熱的な瞳と言葉。


・・・頭の中がクラクラしてしまう。

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