目には目を、歯には歯を
元話
その弁護士は、敏腕弁護士で有名だった。
どんな極悪犯罪者でも、彼の弁護にかかれば、必ず無罪になるのだ。

その噂を聞きつけた、一人の殺人犯が、彼を弁護士として雇った。
普通の弁護士なら法外な弁護料を取るのだが、彼は弁護料もそんなに高くない。

毎日、ガラス越しに殺人犯と弁護士は接見を重ね、弁護士は方針を立てる。

そして、殺人犯は見事に無罪になるのだ。

世間からは、その弁護士は極悪人の肩を持つ酷い人間だと思われていた。

だが、その弁護士ほど、罪を、そして罪を犯した人間を憎んでいる人はいなかったのだ。

その弁護士に救われた極悪人は、かならず自殺する。
そんな噂を、その殺人犯は知らなかった。

見事無罪放免になった殺人犯は、意気揚々と家に帰る。

そして、その日の夜、自分がむごい殺し方をした相手となり、自分に殺される夢を見たのだ。

毎晩、毎晩、同じ夢を見る。
逃れられない。

毎日こんな夢を見るくらいなら……

そう思って、彼は結局自殺するのだ。

世間の人は、せっかく死刑にならなかったのに、なぜ自殺するのか首をかしげる。

その弁護士は、催眠術の名手だったのだ。
ガラス越しの接見の度に、彼に催眠術をかけていたのだ。

自分が殺した相手になり、苦しみを味わうように……

彼の弁護を受けた者は、そうやって全員自殺している。

ただ、刑罰を受けるだけでは足りないのだ、と。

真に罪を憎む弁護士は、そうやって彼なりに裁いていたのだ………


――完――


これが、ざっとですが元の話です。

やっぱり元の話の方が面白いなぁ……なんて。

アイディアはもらいましたが、話は変えてるので盗作じゃないですよ~・・・・多分?

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

2007.9.22 脱稿






< 77 / 77 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:41

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

手品師

総文字数/6,897

ホラー・オカルト19ページ

表紙を見る
学園戦隊 ドキドキ☆ビューティー

総文字数/30,355

コメディ61ページ

表紙を見る
高校デビューの裏側

総文字数/3,122

ホラー・オカルト17ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop