恋する時間を私に下さい
VOL.14 動きだす時間
「……困ったものね……」
呟く声に目が覚めた。
女性のものと思われる声は、少しずつ大きくなっていく。
その声を聞きながら、ゆっくりと意識が戻り始めた…。
「…自分もまだ本調子じゃないっていうのに付き添って…。見てよ、おかげでこんな所でダウンしてる……」
呆れた感じで話す人に、もう一人の女性が答えた。
「ホント。これじゃあ、どっちが病人か分からないわね?」
「多分、どちらも病人よ」
笑い声がする。
カチャカチャ…と何かを触る音が聞こえ、薄っすらと目が開いた。
「…あらっ…もしかしてお目覚め…?」
頭元から声がした。
視界に入るように場所を移した人が、目の前に手をかざした。
「見えますか?…お名前言えそう…?」
問いかけられ、一生懸命声を出そうとした。
『…ともさか……りりぃ……』
空気だけを発して、声にはならなかった。
乾いてしまった喉に、音が貼りついてるみたいだった。
「意識はあるみたいね…。友坂さん…大丈夫ですか?」
ピンク色の服で、看護師さんだと分かった。
音にならない声で『はい…』と口を動かした。
「先生呼んできますね。待ってて下さい」
看護師さんは、意気揚々と出て行った。
残されたもう一人の看護師さんは、メーター表示の機器を見ながら、あれこれと記録してる。
その様子をぼぅっと眺め、どうしてここにいるんだろう…と考えた。
最後の記憶が混乱してる。
ここに来る前、自分はどこにいたんだっけ……?
呟く声に目が覚めた。
女性のものと思われる声は、少しずつ大きくなっていく。
その声を聞きながら、ゆっくりと意識が戻り始めた…。
「…自分もまだ本調子じゃないっていうのに付き添って…。見てよ、おかげでこんな所でダウンしてる……」
呆れた感じで話す人に、もう一人の女性が答えた。
「ホント。これじゃあ、どっちが病人か分からないわね?」
「多分、どちらも病人よ」
笑い声がする。
カチャカチャ…と何かを触る音が聞こえ、薄っすらと目が開いた。
「…あらっ…もしかしてお目覚め…?」
頭元から声がした。
視界に入るように場所を移した人が、目の前に手をかざした。
「見えますか?…お名前言えそう…?」
問いかけられ、一生懸命声を出そうとした。
『…ともさか……りりぃ……』
空気だけを発して、声にはならなかった。
乾いてしまった喉に、音が貼りついてるみたいだった。
「意識はあるみたいね…。友坂さん…大丈夫ですか?」
ピンク色の服で、看護師さんだと分かった。
音にならない声で『はい…』と口を動かした。
「先生呼んできますね。待ってて下さい」
看護師さんは、意気揚々と出て行った。
残されたもう一人の看護師さんは、メーター表示の機器を見ながら、あれこれと記録してる。
その様子をぼぅっと眺め、どうしてここにいるんだろう…と考えた。
最後の記憶が混乱してる。
ここに来る前、自分はどこにいたんだっけ……?