恋する時間を私に下さい
VOL.17 時間が駆け出す
退院した翌日、マンションの自分の部屋に戻りました。
両親は傷を負った私を心配し、一人暮らしをやめるように言ったけど……
「ダイジョーブだって!お姉ちゃんにはレイさんがいるんだから!」
…まさか、隣に住んでるとは話せず、ルナの言葉に顔を引きつらせたままここへ戻った。
あのお願いをした日から二週間、礼生さんには会ってない。
漫画を再開したとは聞いたけど、どんな話を描いてるのかもさっぱり分からないでいた。
部屋の中から、隣の物音を確かめてみました。
カタ…とも音はせず、修羅場にでも入ってるのかと思いながら、外へ出てみた。
いつもと変わらない玄関風景に惹かれながら、彼の部屋の前まで近づきました。
インターホンを押すべきかどうすべきが悩み、表札を見て気づいた。
「えっ…⁉︎ 木場……⁉︎」
ポカン…と見慣れない苗字に見入ってしまった。
私が入院するまでは、確かに『OGATA』という表札だった筈なのに。
(まさか…礼生さん……内緒で引っ越した?…)
そんな話は、アシさん達からも聞いてませんでした。
何処へ行くとも行ったとも聞いてない。
唖然…としたまま立ち尽くし、こんなことをしてても埒があかないと気づいた途端、部屋に走り込みました。
病院から持って帰った礼生さんのマンガをバッグに詰め込んだ。
傷を隠すために巻いて帰ったストールを首に巻き直し、部屋を出る。
今、私が行ける場所と言えば、あそこしかありません。
両親は傷を負った私を心配し、一人暮らしをやめるように言ったけど……
「ダイジョーブだって!お姉ちゃんにはレイさんがいるんだから!」
…まさか、隣に住んでるとは話せず、ルナの言葉に顔を引きつらせたままここへ戻った。
あのお願いをした日から二週間、礼生さんには会ってない。
漫画を再開したとは聞いたけど、どんな話を描いてるのかもさっぱり分からないでいた。
部屋の中から、隣の物音を確かめてみました。
カタ…とも音はせず、修羅場にでも入ってるのかと思いながら、外へ出てみた。
いつもと変わらない玄関風景に惹かれながら、彼の部屋の前まで近づきました。
インターホンを押すべきかどうすべきが悩み、表札を見て気づいた。
「えっ…⁉︎ 木場……⁉︎」
ポカン…と見慣れない苗字に見入ってしまった。
私が入院するまでは、確かに『OGATA』という表札だった筈なのに。
(まさか…礼生さん……内緒で引っ越した?…)
そんな話は、アシさん達からも聞いてませんでした。
何処へ行くとも行ったとも聞いてない。
唖然…としたまま立ち尽くし、こんなことをしてても埒があかないと気づいた途端、部屋に走り込みました。
病院から持って帰った礼生さんのマンガをバッグに詰め込んだ。
傷を隠すために巻いて帰ったストールを首に巻き直し、部屋を出る。
今、私が行ける場所と言えば、あそこしかありません。