超能力者も恋をする
朝からバタバタしていたので、今日の一日はあっという間に過ぎて行った。
すみれは少し残業して帰ってきた。玄関を見ると、先輩の靴があったから先に帰っていたようだった。

着替えを済ませ、リビングの扉を開けると、
「まっ、間宮!帰ってたのか?!」
「えっ!?きゃーっっ!!」
扉を開けた先には洗面所から出てきた先輩が、上半身裸で下はバスタオルを巻いた状態で立っていた。
先輩の家は入ってすぐに寝室があり、そのとなりあがリビングで一番奥に洗面所とお風呂場があった。格好から見て先輩はお風呂上がりだろう。

いきなりの先輩の格好に思わず叫び声を上げてしまった。すると咄嗟に念力が働いて、手前に先輩が開けていた洗面所の扉がバンっと閉まった。
「痛っ!」
勢い良く内側に閉まったので先輩の顔に思いっきりぶつかったらしい。
「あわわわっ!すみません!大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄ると、ガラス越しに薄っすらと鼻を押さえる先輩の姿が見て取れた。
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