男装騎士~それから~
剣を力任せに払われた痛みに顔を歪める。
ドクン。
その表情が、あの時の・・・毒に苦しむ表情と重なり動きが止まる。
ユキは、その隙を見逃さない。
思い切り俺の剣を叩き上げるとそのまま俺の首に剣を突きつけた。
「やめ!ユキの勝ち!」
判定が下り、ユキは嬉しそうに剣を置いた。
俺は、蘇った記憶に動揺し佇んだまま。
「カイ?どうしたの?」
ユキにそう声をかけられるまで呆然としていた。
「い、いや・・・」
逃れられない。
自分がしてきた罪からは。
時がたてばたつほどに、重くのしかかる重圧。