あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
13
「おはよう、相原さん。」

今日は会社の裏口で山根さんと会った。

「おはようございます。」

そう挨拶を交わす。

「相原さんは佐川さんの送別会は行くの?」

山根さんが聞いてきた。

「はい、行きますよ。い…、佐川さんにはとってもお世話になりましたから。」

いけない、もう少しで山根さんの前で郁也さんと呼んでしまう所だった。

「そうか、やっぱり行くんだな。」

そんな様子の山根さんにうなずいて私は事務所に入った。

「おはようございます。」

今日も小夜子さんが先に来ていた。

「おはよう。あれ?相原さん、すっきりした顔をしているのね。」

そんな風に言われ、私はさり気なく小夜子さんを見る。

「そうですか?」
< 134 / 400 >

この作品をシェア

pagetop