あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
15
その夜は、私を何だか私を守るように包み込んで眠った郁也。

「萌香、萌香。」

私は夜中に郁也に起こされた。

「大丈夫か?」

眠っている間に私はかなりの汗をかいたようだ。

「私…。」

そうつぶやく私の顔を郁也は覗き込んだ。

「かなりうなされて苦しそうだったから。」

そう郁也は私を起こした理由を言った。

「そう…。」

私は昼間に有美に会った事で、大学時代の夢を見ていた。

「嫌な夢を見ちゃっただけだから。ごめんね、心配させちゃって。」

私が強がったのが分かったのか、郁也は私にそっとキスをした。

「無理しなくても良い。萌香が眠るまで見ているから。」

そんな風にささやく郁也。
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