あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「うっ…。」

「郁也!」

そう郁也がうめいた声と、私が郁也の名前を呼んだ声が重なった。

私を抱きしめるように、覆いかぶさった郁也。

私は思わず郁也の髪を何度も何度も撫でていた。

その後、寄り添うようにじっとしていた私達。

「萌香~。」

甘えたような郁也の声。

初めて聞くかもしれない。

「今日はこのまま一緒に居たいな。」

そう言って私の額にキスをして、私の顔を見る。

「ダメだよ…。」

実は私もそんな事を思ってしまった事は内緒。

「とにかく郁也の実家にはお邪魔しなきゃ。」

そこで私達は驚いたように顔を見合わせる。

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