あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
35
マンションに帰って、お互いが着替えを済ます。

私はついでにシャワーを浴びて、すっぴんのままリビングに戻る。

「お先に。ああ、スッキリしたよ。」

私は郁也に笑いかけた。

「俺もシャワーして来るかな。」

そう言いながら、郁也はなかなかソファから立ち上がらない。

「ん?そんなに疲れた?」

私は郁也の横に座った。

「化粧した顔も凛として良かったけど、今の萌香の方が俺はホッとする。」

そして私の手を握った。

「やっと正式な婚約者だね。」

「パーティが無事に終わって良かったね。お疲れ様。」

私達は微笑み合う。

「でも俺より萌香の事を知っている奴が4人も居るなんて、妬けちゃうな。」

それが郁也の本心なのか、はかりかねた私は首をちょいと傾げた。
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