あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
6
窓から差し込む明るい光に、私は目覚めたようだ。

「あれ…?」

私は気が付いた。

ここは私の部屋じゃない。

「おはよう、萌香。」

私はその声にびくっと反応した。

「佐川さん…?」

いつもと違う風景の中に、佐川さんの顔がある。

どうも少し離れた椅子に座りながら、スマホを触っていたようだ。

モノトーンにまとめられているその部屋。

ここは、佐川さんの寝室なのだろう。

瞬く間に昨日の記憶がよみがえる。

私…、佐川さんの胸の中で寝ちゃったんだ。

私は今ベッドの中に居る。

「萌香、いくらアルコールに弱いからって、ビール一杯で寝ちゃうなんてな。まだ話は途中だったのに。」
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