あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
8
小夜子さんがお昼で帰ってから、一人の昼食を食べ始める。

今日はあんな事があったから、おにぎりが作れなかった。

だから朝に駅前のコンビニでサンドイッチを買って来た。

それを出そうとして、あるものに目が留まった。

キーホルダーについている自宅の鍵を鞄の中で見つめる。

紛失してはいけないからと、そこに一緒につけたのは佐川さんに預かったあの鍵。

う~ん、思い出してしまった。

今日は一度自宅に帰って、佐川さんのマンションで夕飯を作らなくてはならない。

社長と出掛けている佐川さんはまだ戻ってきていない。

今日はまだ会社で一度も顔を合わせていない事に、ホッとするような寂しいような…。

何だ、この気持ち…。

「やっぱり小夜子さんにこの状況を聞いてもらった方が良いのかな。」

思わずそんな独り言をつぶやいている私。

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