初恋マネジメント






「え、あ、……健太くんの友達の?」


「バド部マネの住吉紗奈です、健太の幼馴染の」




くっそ、あたし完全不審者じゃん。


友達になって、なんて今どき小学生でも言わないんじゃないの!?



優花ちゃんと二人きりで話すと緊張するという(ほんとかよ)三橋くんの命令で、彼女と仲良くなるべく接近してみたのだけれど、

自然な感じを装って会話に参加してくる予定だった彼は未だ来ない。



ガバッと後ろを振り返れば、体育館の掃除のためにモップを持った三橋くんが、緊張した面持ちでこっちを見つめていた。



早く来い、とアイコンタクトを取ろうとするも、彼は首をブンブン横に振るだけだ。



……あの野郎。




「あれ、珍しいな!? 優花と紗奈が喋ってんの!」


「……う、健太……」


「なに? 紗奈、なんで目そらす?」


「べ、別に」




そうこうしているうちに、帰り支度を終えた健太がやってきてしまった。


優花ちゃんとまともに会話もできてないのに。



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