エンディングのあとで


カインの部屋の前で、一呼吸おくと扉をノックする。
少しの間をおいて、カインは扉を開けた。

「おお、メルダ。どうした?」

どうやら風呂上りだったようだ。髪の毛が少し濡れている。
少し暑いのか上は薄い服一枚だけで、うっすらと引き締まった筋肉が見えた。
それを見て少しどきっとしてしまう。

「あ、ああごめん。ちょっとお願いがあって・・・」

そこから先の言葉が中々出ず、メルダは俯いてしまう。

「・・・どうした?」
「えと・・・、あの・・・」

言うんだ、メルダ!
一緒に行かない?って言うだけじゃない!

メルダは目をつぶってカインに言う。
「あの、さ!お祭りの花火なんだけど、一緒に見に行かない!?」

・・・言えた!!
恐る恐る目を開け、顔を上げてカインを見る。
目の前にいるカインの表情は複雑そうだった。

「・・・あー・・・あのさ、その花火サリルから誘われてて、一緒に行く事になってるんだけど」


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