エンディングのあとで

パレードの時間が近づくにつれて、外は騒がしくなっていた。
このまま、見えない位置にいて終わってしまえばいいんだ、と受付にいたが、気を利かせたイリムがメルダに声を掛ける。

「ほら、私が受付いるからお前は見てきな!」
「いいよ、お母さん。私別に興味ないし」
「なーに言ってるんだ。もしかしたらもう見る事も出来なくなるかもしれないんだよ?後悔しないようにちゃんと見てこい!」

と、強引に人の溢れる外へ出されてしまった。

「ちょ、おかあさ・・・」

宿屋へ戻ろうとしたが、人の波に飲まれどんどん遠くなってしまう。


ああ、どうしよう。戻れない・・・


人ごみの中でなす術もなく流されていると、突然右手を捕まれた。


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