無の王
そう言って飛鳥は教室へ戻っていった。


零はこれでのんびりと食事が出来る。


もともと人と関わるのが苦手だから極力一人で過ごしたい。



一人でいると落ち着くし、この静かさが好きだ。

一人の空間…集団で孤立している人は一人の空間が大好きなんだ。


一人でいるから自分らしく出来る。

多分人と関わったら自分が自分で無くなる。


零は昔からそう思って生きてきた。


実際に茶道部に入って色んな奴らと関わっていると、たまに自分では無くなる気がする。


本来は硬派なはずの零だが、この部に入ってから徐々にキャラが変わっている気がする。



けど…これが人と関わるという事なんだろうな。

人と関わる事により、新しい自分が見つかる。


そう考えると茶道部に入った事は悪くないと思う。



桜花さんのお陰で裏社会の人間にも繋がりが出来たし悪いことはない。


そう考えると俺の青春もまだ終わっていない…まだまだこれからよ。



その時零の携帯にメールが入った。


飛鳥からである。


内容は歓迎会を土曜の夕方6時から始めるとの事であった。


土曜に飛鳥の家に行くのか…。


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